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SF書籍データベースの各フィールドの説明



 この『SF書籍データベース ver.02 』は、すべてで109244のレコード(行)からなっています。

 各レコードは以下のAからRまでの18のフィールド(項目)からなっています。

 以下、各フィールドの解説を記します。

A「書籍題名」 書籍題名は表紙や帯ではなく奥付の記述を基準にしました。

 ただし――とくに古い書籍の場合――その書籍に含まれる代表的SF作品を仮に書籍題名としたものがあります。その場合には題名の後部に【他】なる記号を付してあります。【他】の付せられた書籍の正式題名は、D「書籍情報」で検索できます。

 大部分の書籍は、内容をあらわす記号をアルファベット2文字で表して( )で囲み、題名の尾部に付してあります。

 また一部の書籍については、アルファベット1文字を( )で囲って内容を示しています。

 記号の意味は以下のとおりです。

2文字による表示

  1文字めの意味
    N その書籍がSF1篇よりなる場合
    S 単独の作者の作品集(コレクション)
    D 複数の作者の作品集(アンソロジー)
    A 主として単独の作者の連作短編集
  2文字めの意味
    W その書籍の全ての作品を収録
    M その書籍の(頁数で)過半数の作品を収録
    P その書籍の(頁数で)半分以下の作品を収録

1文字による表示

    E 解説・評論類
    B 書誌類

 Aは ver.01 にはなかった記号ですが、長篇と短篇集の中間的な連作短篇集が多く見られるようになったために加えた記号です。1990年以前の書籍の分類には使われておらず、該当書籍はNまたはSやDに分類されています。

 MやPがあるのは、作品集の一部にSFではない作品が有ったり、また一部の作品のみがSFと見なされる書籍があるからです。

(ただしごく一部に、SやDでかつWやMやPであっても、中の作品は収録せず、書籍名のみを収録したものがあります。SF味の薄い作品が大量にある書籍の場合や著名な文学作品で類書が多い場合、輻輳を避けるために収録を略したものです)

第1巻、第2巻、上巻、下巻・・・などは原則として〔 〕で括ってあります。

 EとBで示される解説・評論類と書誌類は、古くから知られた書籍のみにとどめ、1991年以後のものはほとんど収録してありません。

 SF書誌類については、本研究会から出されている『SF書誌の書誌(野村真人編)』によって調べることができます。
B「書籍著者名」 日本人作者の場合、姓と名の間に空白は設けてありません。たとえば「星 新一」ではなく「星新一」としてあります。カタカナ表記の外国作家の場合は、その国の表記にしたがい、ほとんどは姓を後に記しています。同一著者でもそのカタカナ表記は翻訳者によって異なりますが、ここでは主としてその書籍の表記に従いました。合作や連名は & でつないであります。

 著者名の尾部にある〔 〕内の記号の意味は以下のとおりです。

   〔編〕 編集、編纂者
   〔原〕 原作者
   〔翻〕 翻案者
   〔選〕 選択者
   〔構〕 構成者
   〔監〕 監修者
   〔競〕 複数著者の競作
   〔他〕 他にも著者がいる場合

複数著者でその寄与の意味が異なる場合には / でつなぐことによって区別しています。

 一般には使われない漢字については、複数の漢字で表現して{ }で囲うという便法をとりました。これは他のフィールドでも同じです。

 古くからある作品で著者が不明確な場合は「古典伝承」としました。また経典類は「経典」としました。
C「書籍発行所」 株式会社、(株)(有)などは省略して記してあります。また発行元と発売元が異なる場合、後者は( )で囲いました。しかし終戦直後は不明の場合が多くあります。

 発行所の実体は同じで名称が途中で変更になった場合は / で併記しましたが、これも終戦直後は不明の場合が多くあります。
D「書籍情報」 シリーズ名やシリーズ番号/翻訳者名(訳*)/装幀者や表紙画家名(幀*)/挿絵画家名(挿*)/解説者名(解*)・・・などをあらわしています。また注を記す場合もあります。

 A「書籍題名」では検索しきれなかった書籍の場合、この D「書籍情報」によって検索可能なことがありますので、ご活用ください。
E「書籍種別」 つぎの4種に区別してあります。

   一般向
   ジュブナイル
   ゲームブック
   解説/書誌

 大部分が「一般向」で、これは大人ものの一般的なSFという意味ですが、SFを通常より広い意味にとってあります。

 また「解説/書誌」は――A「書籍題名」に記しましたように――1990年以前の代表的な作品のみにとどめ、網羅的な収録はしていません。
F「書籍判型」 一般に用いられている A5,A6,B5,B6・・・等の記号を用いました。

 B40には(新書判)、A6 には(文庫判)の注を付しました。

 じっさいの判型はこれらA系列、B系列のほかに変形が多いのですが、それらは面積的に近い判型記号を( )で囲い、(大)(小)などを付する方法で表示しました。

 とくに B6 にはいろいろな大きさがありますが、いわゆる四六判については、1991年以降については、46(四六判)として明示しました。それ以外の時代は便宜上 B6 としてあります。

 ハードカバーかどうかについては、I「作品掲載順」で表示しました。
G「書籍総頁数」 書籍の総頁数で、付録・索引などが別頁になっている場合は加算して示しました。
H「書籍発行年月」 書籍の初版発行年月を西暦で示してあります。
I「作品掲載順」 次の J「作品題名」にあるSF作品が書籍のなかでどのような順に並んでいるかを表示してあります。

 また書籍そのものについても○によって表示しています。

 ○         1冊の書籍をあらわす。
 ○H         ハードカバーの1冊の書籍をあらわす。F「書籍判型」が B6 の場合、四六判の表示がなくとも、そのほとんどは四六判である。
 1.,2.,3.・・・   R「作品番号」の順に並べられている場合、直前の○印の書籍内の各作品の掲載頁の順。重要な序文などは 0. で表示。
 (1),(2),(3)・・・  上記番号の中がさらに分かれている場合、この番号記法による。
 (i),(ii),(iii)・・・ 上記番号の中がさらに分かれている場合、この番号記法による。
 ☆ 番号をつけにくい作品の記号。
J「作品題名」 上記掲載順番号に対応した作品(および書籍)の題名です。

 作品題名の末尾には半角数字でその作品の先頭部分の掲載頁を表示してあります。

 ○印や○H に対応する作品題名は書籍題名であり、A「書籍題名」とまったく同一です。
K「作品題名原綴」 翻訳作品の原題名を記してあります。書籍に記されている場合は必ず記載しましたが、それ以外は、他の方法で容易に判明した場合のみ記載しました。

 英語以外は簡略化しローマナイズしてあります。

 英語・ドイツ語・フランス語については、極力冠詞を尾部に移動しました。

 ETC.は日本語の題名にある【他】の意味(およびそれと同じ意味)を示すために編者がつけた記号であり、原典にある単語ではありません。短篇集の原題によく、”AND OTHER STORIES”とありますので、それと区別するために用いた記号です。

 なお、編者は原語の知識が乏しいので、この項目を利用される際には原典にあたるようお願いいたします。
L「作者名」 各作品の作者名を、B「書籍著者名」に準じた記法で記してあります。
M「作者名原綴」 L「作者名」の原綴を、英語圏の場合はそのまま、それ以外はローマナイズして記してあります。

 書籍に記されている場合は必ず記載しましたが、それ以外は、他の方法で容易に判明した場合のみ記載しました。

 姓を先に記し、カンマで区切った後に名を記してあります。

 区分しにくい姓名については、日本語表記の慣習にしたがって記してあります。

 ED.は日本語表記の L「作者名」にある〔編〕、ETAL.は同じく〔他〕の意味を示す記号として使用しています。
N「作者名読み」 L「作者名」の作者の姓のみを半角カナで記し、名の頭文字を半角アルファベットで記してあります。

 外国作家のカタカナ名の場合、L「作者名」の表記が異なっていても、同一人物であることが明白な場合には、代表的な読みに統一しました。

 翻訳者の方針によって左右される L「作者名」では作者の同定がしにくいことが多いために設けた項目です。
O「作者国籍」 L「作者名」の作者が主として活躍している国名(ほとんどの場合そのSFが書かれた言語と対応)を、以下の分類で示してあります。

 法的な国籍とはかぎらず、また生まれた国ともかぎりません。

 日本   作品が日本語で書かれていれば生まれや国籍は台湾・朝鮮・欧米等でもその大部分は日本とした。一部に、英語圏(日本)といった表記を用いた(小泉八雲など)。
 英語圏  アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどの本来的な英語圏。
 アジア  日本や中近東以外のほとんどのアジア。
 ヨーロッパ  英語圏と旧ソ連圏以外のヨーロッパ。
 旧ソ連圏 旧ソ連圏(ただし東欧諸国は主としてヨーロッパに含めた)
 中南米  中南米。
 その他  中近東など。
 不明   不明は3件のみ。
P「作者生年」 調査できた範囲において、L「作者名」の作者の生年を西暦で記しました。

 おおまかにしか分からないため、CEN(世紀)を用いた場合があります。

 紀元前を示すには BC を用いました。

 なお作者が公開資料で年齢を秘している場合には不明としてあります。
Q「翻訳者名」 J「作品題名」の作品の翻訳者名です。表記法は、B「書籍著者名」やL「作者名」に準じています。
R「作品番号」 ほぼ入力順に仮の作品番号を振ってあります。

 入力順は先に出版した印刷版SF図書目録の印刷頁順や電子版目録の番号順に大略したがっています。

 1冊の書籍とその中にある作品については必ず連続する番号を振ってありますから、この番号が連続しているかどうかによって、同一の書籍内の作品群かどうかを判別することが可能です。
(ver.01とは番号が違っていますので注意してください)